という訳で「ギヴン」21話。長いと思った2ヶ月があっという間に過ぎて驚き。9月は小説ばかり読んでいてあんまりコミックスや単話に手を出していない…気がする。
加筆修正済。

※自己解釈による感想&ネタバレ注意(秋×春)

2年分の未練は、
30分で床に散らばってゴミになり、
俺の首筋は、裸になった。
お前を忘れる一日目が、今から始まる。

号泣。


いやー、秋彦クズだね!!笑顔で声を大にして言っちゃう。
秋彦クズ!\(^o^)/
やっぱりいっぺん地◯に落ちた方がいいよ!\(^o^)/

…というか今号は秋彦のメンタルの強さ(図太いとも言う)に前半凄まじいイラつきを隠せなかったね!春樹をどん底に突き落としながら、自分がしんどくて「限界」だから春樹に「甘えた」、だから「助けてくれ」って。

「もう、しんどい、から良ければしばらく置いて…くれると」ってセリフ良く言えたな~…。普通の神経じゃ出来ないよなぁ。この状況で一番しんどいのは春樹であって秋彦ではない。
あんな事をしておいて、それでも縋ろうとする姿には呆れるしかない。

春樹の事を何とも思ってないように感じてしまうし、春樹ならきっと許してくれるだろうという侮ったような、甘ったれた考えが透けて見えて本当に辛い。一旦は「やだよ」と拒絶しても、バンドメンバーと言う事もあって結局それを許してしまう春樹。
春樹いいいいい…良い人過ぎるよおおおおおおお(泣)。

しかし誰がこんな秋彦の姿を想像しただろうか。
でもこんなみっともなくてカッコ悪い秋彦も秋彦なんだよね~…。
こういう風に強かさを持ちながらも甘え上手な所にコロッと騙されるんだろうね…(笑)。

秋彦が感じた「限界」とは=雨月との関係(行き場のない自分、行き場の無い感情)についてで、だからといって春樹の元に居座って甘えるのはただ逃げてるだけでなんの解決にもなってないんだよね。秋彦が雨月と正面から向き合おうとしない限り(これは雨月もなのかな)、延々と現実逃避を続ける事になる。

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そんな事があった次の日のスタジオ練、立夏達に短くなった髪の毛を指摘され、「暑くて切っちゃった」と答える春樹(泣)。

なんでもない振りをしていても気持ちは下を向く一方で、練習にもそれが出てしまい、音が合わなくなる。それを指摘され「ごめん」と笑顔でかわすも、立夏に「そうやってシャットダウンすんのやめてくださいよ」と言われ「………ごめん ちょっと今日調子悪くて」「でも大丈夫だから」と改める春樹。

ここが春樹らしいなぁ、と感じてしまうね。本当は凄く辛いのに何事もなかったかのように、穏やかに、相手が納得するようにきちんと返す。そんな春樹の様子に触れられる度、秋彦がびくびくしてるのが失笑ものだけど、何も触れない春樹に感謝した方がいいね、ほんと。

その後、調子が悪いから、と同じように笑顔で謝って早々にスタジオを去る春樹。
天才肌の立夏や真冬、なんだかんだと器用にこなしているように見える秋彦。そんな3人と自分を比べ、音楽でもそれ以外でも自分だけが必死になっている、と卑屈になり、何度も「みじめだ」と感じる様子が本当に切なくて泣きそうになってしまった。

その春樹を追いかけ、春樹の「俺って必要なくない? 他の連中みたいに天才でもなんでもないし 今日だって全然音合わなかった」という訴えに、音が合わないのは春樹が下を向いてるせい、「前向かなくてもせめて俺の方ちゃんと見ろ」と言う秋彦。

このセリフを見た時にもどの口がそんな事言ってるんだよ!と物凄い腹立たしかったけど、その後に続く、【バンドはソロアーティストと違う】【バンドは4人天才じゃできない】【誰かが天才を支えなきゃならない】「お前必要だって 俺結構ずっと言ってるよな!?」と言う言葉にすとんと胸のつかえが降りたような「……なんだ」「なぁんだ」と言う春樹につられ、私もちょっと納得してしまった。


秋彦は多分春樹が思っている以上に春樹の事をちゃんと見て理解してるんだろうな~、と思う。春樹がバンド内においてここの所不安になっていた己の存在意義と疎外感を、その一瞬で取り払い、しっかりした居場所がある事を再認識させた。

自身も一般から見れば十分な才能を持っているけれど、ソロアーティストとしての才能は一番近くに居る雨月に到底及ばない。鬼才を放ち孤独を纏って舞台に立つ、そんな雨月を間近で見、憧れも嫉妬も抱いてきた秋彦だからこその説得力のある言葉だったかな~と思う。

「秋彦によってどん底に突き落とされたのに 苦しかったところから引っ張り上げてくれたのも秋彦で」

秋彦自身が荒れまくっていた時期に声をかけ、バンドに迎え入れその中で関わる事で「いつも救われてる」と言われていた春樹が、今回は秋彦に引っ張り上げられる形に。恋愛に関しては拒絶したけれど、人間としての春樹が大切だって事でしょうかね。凄いムチの後に凄いアメが来た感じだね。

と言ってもね、春樹にあんな事をしておきながらの言葉なので、お前が…ってなるんですけどね(笑)。

それにしても秋彦、「救われてる」と2巻で言う前にも「こっち向け」って春樹を自分の方に向かせてるんだよね。今回は「こっち見ろ」。同じような言葉を伝えるのに同じように自分を見て貰う。何故か命令形だけど(笑)。そうやって真正面から言葉を伝える事が秋彦なりの誠意なのかもしれないな~。

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その後なし崩し的に同居生活が始まった事で、春樹が秋彦と言う男の本質的な姿を見ていく事になったけれど、面白いのが、秋彦自身が春樹の事を割と正確に理解していたにも関わらず、春樹は秋彦について実は良く知らなかったという所だよね。

秋彦が見せずに隠していた部分ももちろんあるし、雨月の存在なんて尚更知る訳もないけれど、一緒に住む事によって音楽と言う分野に真面目に向き合い努力する「秋彦」や、普段からは見えない色んな「秋彦」を春樹が知っていく過程にわくわくするような萌えがあった。
作者様の描き方もあってコミカルでかわいい2人が見れて嬉しかったな~(泣)。秋彦が作った夕ご飯のチャーハン、「ご査収ください」のメモに不覚にも吹き出してしまった(笑)。


穏やかに馴染んで生活しているからか「最近ベースとドラム息合ってますね なんかあったんですか?」と真冬に聞かれる位になった2人。
春樹は焦って否定し、秋彦と同居している事について言及しなかったけれど、秋彦の本来の同居人と言えば雨月が居る訳で、ここからまたひと悶着あるんだろうな、と思わざるを得ない。

何かのきっかけで2人の同居を知って真冬が口を出すか、もしくは雨月の存在を春樹がどこかで知る事になるか(逆も然り)、渦中の秋彦本人が春樹をバイクに乗せて帰ったりと、同居がバレる事をあんまり気にしてなさそうなのが、2人で暮らすうちある程度心境の変化もあったのかなー、なんて思う。(春樹も開き直ってるけど)

そのもろもろの決着がバンドの最終目標地点間際で起きるのか、次回以降の割と早い段階で起きるのかは謎だな~。そろそろ雨月も出てきそうだなと思いながらも、一旦この2人は置いて真冬達の話か、バンド自体に進展があるのかな~とも感じる…。

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秋彦は今回も春樹の優しさに甘え、春樹はそれをなんだかんだと受け入れる、という形に落ち着いた訳だけど、春樹の懐の深さには参った。あんな事をしでかして傷つけた秋彦を受け入れてる春樹よ、神か(泣)。

ただ、普段見せなかったカッコ悪いとも言える部分まで曝け出しても、真摯に音楽に向き合う姿、「春樹」という人間が必要だという姿勢を一貫して崩さなかった秋彦だから、嫌いになれなくても仕方なかったのかな~…春樹、となった回でありました。

嫌いになれないからと言って、春樹が秋彦を諦めないのかも分からないし、ここまでして春樹に縋る秋彦は腹立たしいし、正直何考えてるのかわからないし、でも春樹には本当に幸せになってほしいなぁ…。切実に。

まあ後半絆されかけたけどやっぱり秋彦は1回j…と前号&今号(または12月発売の4巻!)を読む度何度も思う事でしょう。
秋彦ザマァな展開でなくてちょっぴり残念だった管理人でした(笑)。